『ヘレディタリー/継承』恐れと畏れ。

『ヘレディタリー/継承』

f:id:Navorski:20210510141507j:plain

「21世紀最高のホラー映画」

このキャッチコピーは伊達じゃなかった。

 

面白すぎてどこから話をしたらいいのかなといった感じです。

2日連続で見ちゃいました、それくらい面白いです。

まず監督監督・脚本は『ミッド・サマー』のアリ・アスター監督ですが、「恐怖」を表現させて右に出る人はいませんね。

鑑賞後の感想ですが直接的で驚きに近い「恐れ」ではなく、関節的で本能的な「畏れ」に近い「恐怖」をとてもうまく表現しているなと感じました。

 

「犬が怖い」と「暗闇が怖い」のような違いなら分かりやすいかなと思います。

 

「なんで怖いの?」と聞かれて

 

昔犬に手を噛まれたから...という直接的トラウマ経験から怖がっている人はいても

暗闇の何が怖いかを答えられる人はあまり少ないと思います。

「昔暗いところに閉じ込められたから」という人もいますが、これって暗闇じゃなくて閉鎖空間に伴う暗闇が怖いんですよね。

 

 

「理由は分からないけど、なんとなく怖い」

 

アリ・アスター監督の作品には、こういった人間の深層心理にある「畏れ」が表現されていると感じました。

「ミッド・サマー」公開当初もネットでは

「トラウマになった」「見た後に精神的消耗がすごい」「精神力をジワジワ削られた」

のような感想を多く見ました、人の「恐れ」ではなく「畏れ」の部分に強く働きかけた結果なのかなと思います

 

このような恐怖をどうやって描いているのかは次の記事で。

 

ではまた。